お正月の思い出

僕は子供のころ、お正月が憂鬱だった。

というより、年末を迎える前の家の空気が嫌いだった。僕の実家では毎年、祖父の家に親戚一同が集まっていたのだが、年末の3日前くらいからモチつきや巻きずし、正月料理を作るのが習慣となっており、母が祖父の家に行き、料理を手伝っていた。

 

母と祖母は仲が悪かった。元々商売をしていて、おせっかいなくらい気が利く祖母と、のんびりマイペースだが頑固な母。この2人が台所に立ち3日間も過ごすのだから大変な事である。

 

母は正月が近づくにつれ不機嫌になっていく。モチをついている頃まではまだいい。しかし、巻きずしをまいて、カニを茹で始めた頃からお互いに何もしゃべらなくなる。その空気の中、正月当日を迎えるのだ。

 

親戚一同が昔は昼前に集まっていたのがだんだんと遅くなり、昼過ぎ、昼下がり、夕方と後ろ倒しになっていった。

 

3家族が祖父の大正時代に建てられた家に集まるのだが、会話は弾まなかった。親戚同士の会話って何でこんなにつまらないんだろう??

 

。。。今度書こう。